2010年09月06日

基礎の失敗事例

こんにちは、ブルーだよ。

今日は失敗事例だよ。ブルーの会社では15年ほど前に社屋を建てたんだ。
会社はシステム屋さんなので、居心地を考えて社屋に住宅を検討したんだよ。
そして当時の社長が展示場を回り、「ローコスト住宅だからといって問題はない。」と判断したんだよ。

自由設計なので、仕事に適した間取りになり、使いやすかったらしいよ。
ところが、3年ほどするとドアが開かなくなり、壁がひび割れ始めたんだ。床にピンポン球を置くと転がり始めたんだよ。

原因は基礎の不同沈下だよ。盛り土が沈下したので家全体が傾いたんだ。
山梨県の南アルプス市は扇状地なので、もともとの地盤は固いんだ。
ただ、土地が緩やかに傾斜しているので、型枠を組むのに1メートルくらい砕石を盛る必要があるんだ。

原因は社長の証言で明らかになったよ。盛った砕石を転圧しないで型枠を組んだことが原因なんだ。
社長も、「転圧もせず基礎を作って大丈夫なのか?」と聞いたらしいけど、現場の作業員の説明に納得したんだって。
社長は「土木の工事と違い、基礎が家の過重を分散するので、こんな施工でも大丈夫なんだ。」と、当時は感心して、沈下してからは、「安かろう悪かろうは本当だったんだ」と笑ったらしいけど、土木の専門家なんだから笑えないよね。

問題点をブルーが推察してみたよ。

型枠工の彼等は、スケジュール的に急ぐ必要があったのかもしれない。そのため、転圧をしないまま施工したのかも知れない。
あるいは、代理店との契約に転圧は含まれていなかったのかもしれない。
何れにしても、そんな彼等の事情のために、数千万円もする住宅が欠陥住宅になったのでは、消費者は浮かばれないよね。

だけど、問題点は型枠業者ではないよ。消費者は、ローコスト住宅メーカーの代理店と契約していて、代理店は工事を管理する立場にあるんだ。消費者は施工の管理費も代理店に払っているんだよ。
その代理店が施工業者を選んでいるんだ。代理店は、工事を管理するための現場監督すら配置していなかったんだよ。
業者を評価せずに仕事を出したり、現場を管理する人員がいないのでは、不同沈下は必然だよ。

良い家を建てようとする意志が見えない、この会社の目的は何だろう。この代理店は、欠陥住宅を建てるために営業していたとしか思えなくなってしまう。

ところが、この代理店が、今は住宅メーカーとして全国的に活躍しいるんだ。
ブルーはこのハウスメーカーに不同沈下の件を伝えて見解を求めたよ。9月に入ったら回答があるらしいのでその時は報告するね。

このハウスメーカーの目的が、「消費者の夢の実現」であって、「お金儲け」でないことを祈るよ。

今日は、ブルーな話でした。

  
山梨県の街づくり広場
posted by 一吉 at 16:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 施工の失敗事例 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする